FAQ よくある質問

ウミガメの観察について

A1. 光にご注意ください

 ■ 母ガメについて ■

上陸し産卵するウミガメは光にとても敏感です。わずかな光によって上陸や産卵のための穴掘りを、そして産卵初期においては産卵さえやめ、海へ戻ってしまいます。

 ■ 子ガメについて ■

夏場、暗闇の砂浜で孵化(フカ)した小さな子ガメを探そうとしても、簡単に見つけられるものではありません。子ガメを見に来られたのに彼らを踏み潰していた・・・そんな事態が暗闇の浜では起きてしまいます。
それを避けようと光をつけられると何が起こるか・・・。子ガメ達はその光に向かって歩き出します。砂浜をさまよい、いつまでたっても海へ向かえません。

観察には、産卵、孵化脱出に極力影響を与えないようなルールがあります。前述のような事態を避ける為にも事前に来館され、生態についての説明や情報提供を受けてから、浜に出られる事をおすすめします。

産卵する母ガメにしても、海へ旅立つ子ガメにしても、その場に立ち会われたら静かに見守って頂くことを重ねてお願い致します。

 ■ 孵化(フカ)と脱出について ■

孵化は卵からかえった事を意味します。
脱出は孵化後、巣穴から出ていくことを意味します。
ウミガメの場合、孵化した子ガメ達は、暫くの間、巣穴の中で過ごします。そして頃合を見計らって一斉に脱出していきます。

夏場、子ガメが孵化した巣穴の上を歩かれた場合(どこが巣穴であるかは、ほぼわかりません)、脱出の為にやわらかくなった巣穴を再度踏み固めてしまう事があります。踏み固められた巣穴から、子ガメ達は脱出できなくなります。

当法人では、このような事態を避ける為、関係機関協力のもと、巣穴の集中している箇所に一定の期間保護対策の一環としてロープを設置し、来浜の皆様へご協力をお願いしています。

A2. 上陸産卵期間は屋久島では4月下旬より始まり、7月下旬まで続きます。子ガメの孵化は7月下旬より始まり、9月下旬まで続きます。

ウミガメの産卵、孵化は夜半から夜明けにかけて行われます。
何月頃の何時に行けば産卵(孵化)が確実に見られますという、はっきりとした日時についてのお答えはできません。シーズンピークと思われる時期にも、上陸ゼロ日(孵化ゼロ日)がございます。

ウミガメは野生生物です。人の都合に合わせて産卵をし、又は孵化をしていくわけではありません。この日この時間に行けば、必ず見られるというものではない事はご理解ください。

A3. 光を使った撮影はできません。

光(フラッシュ等)なしであれば可能です。(最近携帯で撮影をされる方がいますが、携帯の画面の明かりもウミガメには影響しますので浜での使用はご遠慮ください。)

夜間の浜において、光は上陸産卵の阻害要因となります。撮影対象のウミガメにフラッシュをたくことで、撮影対象外のウミガメが以後、浜へ上陸してこなくなります。撮影対象が上陸途中のウミガメであれば、フラッシュをたいた時点で、そのウミガメは海へ戻ってしまいます。

A4. アカウミガメとアオウミガメが、産卵の為に上陸します。

A5. はい、「ウミガメ観察会」は、実施しております。

ウミガメ観察会親ウミガメ5-7月ウミガメ観察会子ガメ8月があります。

A6. はい、あります。当館では、夏場の孵化調査に合わせて、様々な理由で巣穴から脱出できなかった子ガメの保護をしています。

夏期、夜間臨時開館中には保護した子ガメを海に戻す際、啓発活動の一環として来館された方々にレクチャーを行い、海に戻る様子をご覧いただいております。
ただし、これも脱出できなかった子ガメが保護されている場合のみのお話であり、来館すれば必ず見られるというものではありません。

なお、入館される場合に必要な入館料以外の案内料等は、いただいておりません。

ウミガメ生態調査ボランティアについて

A7. 構いません。

ベテランと呼ばれるスタッフも初めは初心者でした。調査活動に参加しつつ、資料を調べたり、先輩スタッフに尋ねる等個々の努力で、みなさん知識を得ていきます。勿論、事前に学習をしてこられても構いませんが、真摯に取り組まれるのであれば、知る知らないについては問題ありません。意欲、体力、協調性、そして責任感をお持ちであれば、調査員としての資格は十分と言えます。

ウミガメ生態調査ボランティア募集要項、活動内容をよくお読みになりご応募ください。

A8. 当館では、ウミガメ調査保護活動を体験しよう!というプログラムを設けています。まず、生態調査活動というものを実体験される事をお勧めします。

生態調査活動を一通り覚えていただくには、どうしても時間がかかります。当法人の調査及び運営は最小人数で行っている為、短期受入では時間的に調査方法を教えるだけに終始してしまいます。結果的に、同時並行の調査・法人運営活動そのものに影響が出てしまいます。
但し、社会人の方で、継続的に調査活動に参加したいという意思がある場合、時期、期間にもよりますが、受入が可能な場合もございます。ウミガメ生態調査ボランティア要項提出書類にその旨をお書き添えの上、ご相談ください。

A9. 主に食費(副食費)となりますが、贅沢をしなければそれほど必要はありません。

ご自身の今の生活費を参考に、お考えになってください。

A10. 自炊です。寝具はありません。持参寝袋使用の板の間直寝。トイレは汲取り。テレビはありません。

調査員は全国から参加しています。年齢、経歴も様々。共に生活する上であたり前の挨拶、そしてお互いを気遣い、協力し合うことで、楽しく気持ちの良い生活が送れると思います。

食費の分担(ワリカン)にしても、調理、掃除等、皆で話し合って決めます。人員の変更に伴いルールも変わりますが、基本的に共同生活の場です。率先して過ごし易い環境を維持するとともに、ハウス及び物品の維持清潔を意識する事が必要でしょう。

様々な方との出会いがありますから、自分を見つめる場としても良いのかもしれません。ただし、生活の基本が、調査・運営活動等にあることをお忘れなく。

屋久島うみがめ館について

A11. 館内にはウミガメについての書物、調査活動データ、グッズ等があります。

スタッフが観察についての注意事項の説明も含め、皆様をご案内しております。又、館内では随時、ウミガメ講習会等が行われております。

A12. ウミガメは、世界的にもはっきりした生態のわかっていない野生生物です。

より良い保護対策や周辺環境について考える時、又学術的な観点からも、基礎となるたくさんのデータを集めなければなりません。屋久島うみがめ館では、標識装着、甲羅測定、上陸産卵等の時間計測、孵化率脱出率、砂中温度等の調査を行っています。

A13. 皆様からの情報提供等のご協力が、貴重な謎解きの材料となります。

島内の海岸線に打ち上げられたウミガメの死骸等を発見された場合は、是非当館へご一報下さい。死因の原因究明等の手がかりとなります。
以下の点に注意され、ご連絡頂けると幸いです。

  • 日時
  • 場所
  • 標識の有無(前後肢)
  • (確認できていれば)標識番号

お問い合わせ先をご参照ください。

ウミガメについて

A14. アカウミガメとアオウミガメの2種類です。

アカウミガメは北太平洋で最も多く上陸し、アオウミガメは日本の上陸北限地です。

A15. 海底の岩場の中に体を入れて休むか、海面にて眠ります

海底で眠る場合は30~90分程寝ては浮上して呼吸をします。その動作を数回繰り返します。

A16. 甲羅の長さを大きなノギスで測ります。

アカウミガメは80~90㎝が最も多く、中には100㎝を越えるものもいます。アオウミガメは90㎝以上の個体が多くいます。

A17. 昼間襲ってくる外敵を避けるためです。

しかし、今では車のライト、外灯、ウミガメ見学者等がウミガメの上陸を妨げるようになりました。

A18. ウミガメは100歳以上生きると思われますが詳しくは分かっていません。

年齢の分かっている最高年齢のウミガメは、日和佐うみがめ博物館で飼育されているオスのアカウミガメで1950年生まれです。

A19. ウミガメの祖先は陸で生活をし、陸で卵を産んでいました。

そのために海で生活をするウミガメは卵を産む時は陸に上がります。ウミガメの卵は海の中では呼吸ができずに死んでしまうためです。

A20. はい、本当です。

ウミガメは砂の温度が29.7度以上だとメスの生まれる確率が高くなり、以下だとオスの確率が高くなります。温暖化で暖かくなると、どうなるのでしょうか?

A21. 5000分の1と言われていますが、実際は分かっていません。

屋久島では子ガメのお腹の中にインナータグを装着していますので、将来ウミガメ達が帰って来た時に分かると思います。

A22. アカウミガメは肉食性でクラゲ、エビ、カニ、底生生物等を食べます。

アオウミガメも小さい時は肉食性ですが、大きくなったら主として海草類を食べます。

タイマイは主として海綿を食べます。

A23. ウミガメは海中で生活をしています。

食べ物を食べる時に塩分も体内に多く取り入れます。その塩分を目の横にある塩類腺から排出し、それが涙に見えるのです。

A24. アカウミガメは30年、アオウミガメは35年程で大人になると言われています。

屋久島では世界で初めて子ガメのお腹にインナータグを入れて海へ帰しています。何年で帰ってくるか楽しみですね。