屋久島に来るウミガメの生態の調査研究とウミガメのための環境保護、そしてウミガメに関連する教育プログラムを行っているNPO法人です。
- 法人名
- 特定非営利活動法人屋久島うみがめ館
(略称:NPO法人屋久島うみがめ館) - 設立日
- 2001年6月25日
- 所在地
- 〒891‐4201
鹿児島県熊毛郡屋久島町宮之浦805-1 - 電話
- 0997-47-1800
- メール
- info@umigame-kan.org
- 代表者
- 上田博文(うえだ ひろぶみ)
設立趣旨
日本の海岸は、北太平洋で唯一のアカウミガメの産卵場である。中でも屋久島は、国内最大の産卵地であり、毎年国内に上陸するウミガメの約半数が屋久島で産卵を行う。また、国内では屋久島はアオウミガメの産卵の北限であり、これらは屋久島がウミガメ達にとって重要な場所であることを意味する。
アカウミガメとアオウミガメはいずれも絶滅危惧種に指定されている。現在屋久島では、これまでの長期の保護活動により上陸個体数は増加傾向にあるが、ウミガメにとって必ずしも良い状況に向かっているとはいえない。生まれたばかりの子ガメは黒潮に乗ってアメリカの西海岸、メキシコの沖合いに到達し、そこで20~30年かけて成体(産卵できる状態)になると考えられているが、成長したウミガメが再び屋久島の海岸に戻ってきたときに、彼らが産卵する場が残されているのか、憂うべき状況となっている。
ウミガメの産卵地である砂浜は、ウミガメだけでなく様々な動植物が生息しており、種の多様性という観点からも重要な場となっている。屋久島の永田浜は、生態系にとって重要な湿地として2005年にはラムサール条約に登録された。しかし、ラムサール条約や世界自然遺産(ユネスコ)に登録されるなど、屋久島の知名度が上がるにつれて、ウミガメ見学者も増加し、産卵・ふ化環境に影響を及ぼしてきていることも忘れてはならない。観光地化することで浜にもれる人工の光が増えていき、ウミガメの上陸や子ガメの帰海を妨げるばかりか、ふ化時期の入浜が子ガメの踏圧死を招いている。このままでは20~30年後には屋久島からウミガメが消えてしまうかもしれない。
当館は、屋久島とその周辺における自然環境の保全というテーマのもと、ウミガメの生態調査及び研究等を行うことにより、彼らを取り巻く諸問題を解決する糸口を模索し、さらにウミガメが生息していく上で必要な環境を保全することによって、他の動植物ならびに我々人間社会に貢献することを目的とする。
活動内容
- 生態調査活動(標識調査、計測(甲長、甲幅、時間)、その他)
- 生態調査報告書発行
- 環境保全活動(浜の清掃、遮光林の植樹及び管理等)
- うみがめ館(展示館)運営
- 啓発活動(ウミガメ講習会、ウミガメ一日ボランティア、うみがめ通信発行等)