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うみがめ花子

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その8

 朝になって目が覚めてみると、流れ藻の周りには色とりどりの小さな魚が泳いでいました。青い色、赤い色、黄色い色、みんな鮮やかな色でした。きっと南の国から流れ藻と一緒に流されてきているのでしょう。「おはよう!」花子はみんなに声を掛けました。「ウミガメさんおはよう」魚たちも声をかけてきました。「私たち、流れ藻と一緒に旅をしているの、ウミガメさんたちはどこへ行くの?」花子は返事に困ってしまいました。なぜならどこへ行くのか分からないからでした。「私分からない」と花子が答えると、黄色い魚が「一緒に行きましょう」と声を掛けてくれました。「みんなで行きましょう」のぞみちゃんたちも賛成しました。
 夏の太陽は海を照りつけています。でも、流れ藻の下は社交場のようににぎわいました。花子は楽しくて、流れ藻の陰から出てしまいました。まぶしい太陽の
光が目に入ってきた瞬間黒い影が襲ってきました。