その6
悲しいかな、もともと光に引き寄せられていく本能を持っている花子達は抵抗することもできず漁船の周りに集まってきました。その数は千匹以上にもおよびました。花子はもちろんのこと、みんな漁船の下で足をばたつかせていました。
何時間たったのでしょうか、漁船は漁を終え船のエンジンを掛けて動き出しました。「あっ!あぶない」もう少しで花子は漁船のスクリューに巻き込まれるところでした。でも多くの子ガメが巻き込まれてしまいました。
真っ暗になった海上の中、黒潮のながれに体をあずけた花子はそばにあった流木に身をあずけました。みんなどこへいったのでしょうか・・・。
花子は今にも落ちてきそうな星空を眺めて涙を流しました。しかし負けてはいけないのです。まだまだ危険は待っているのです。