その5
花子たちはとっさに、前と後足を体にぴったりとくっつけ目を閉じました。海にただようゴミとなり、食べ物ではないとシーラに思わせたのでした。
シーラは何も気づかずに行ってしまいました。「助かったね…」花子はそばにいたさとる君に言いました。もうすぐ黒潮の流れにのまれます。呼吸をするために顔をあげると空には星がいっぱい輝いていました。花子たちは早く黒潮の流れにのろうと必死で泳ぎました。
もうすぐたどり着けることができると思ったとき、強い光が目にとびこんできました。「みんな目をとじて」花子はさけびましたが、どうすることもできなく、その光に花子たちは引きつけられてしまいました。その光の正体は強い明かりをつけて、魚を呼び寄せて漁をする漁船でした。