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「私が案内する・・・」
もう1匹のアオウミガメが言いました。
「さきです。さあ、行きましょう」
少し太り気味のアオウミガメは先頭になって泳ぎ始めました。ゆっくり泳いでいるようですが、花子より早く、スズメダイのアンナ、ベラのマユ、クマノミのアッシーは必死に泳いでいます。
「待ってよー!なんで早く泳ぐのー!」
アンナのキンキラ声が花子の後から響いてきました。
それでも2匹のアオウミガメはかまわずに先に泳いでいます。花子も息が切れてきましたが、仲間に会いたい一心で必死に泳ぎました。
「ひとやすみー!」
アオウミガメのアリエが大声で叫びました。
「何でそんなに急ぐの!」
「ちょっとあんたら早いじゃないですか!」
ベラのマユとクマノミのアッシーがハーハーと息をはずませながら言いました。花子は流れ藻をかき分けて顔を出し、体いっぱいに何回もおいしい空気を吸い込みました。
もう昼頃でしょうか、太陽は真上にあり、暖かい光を花子の顔いっぱいに浴びせました。
それからどのくらい泳いだでしょうか・・・。花子は遥かな先に花子と似た姿を見つけたのです。