「さよなら、また会おうネ・・・」
花子はシャチの家族と別れて流れ藻の方へ泳いでいきました。ユキたちと別れるのは後ろ髪を引かれる思いでした。
でも行かねばならないのです。運命の神様がそのように導いているのです。
 そっと流れ藻に近づいていきました。とても広い流れ藻です。流木や人間が捨てたプラスティックの大きなバケツや肥料の袋みたいな物もありました。何か書いているようでしたが花子は字が読めませんでした。でも、流れ藻がほとんどでした。
 花子は注意しながらゆっくりと流れ藻の中を泳ぎました。群で泳いでいる小魚、一匹で泳いでいる魚、カラフルな小さな魚たちがいっぱいました。
「オッ!新入りさんかネ。俺、アッシーって言うのだけどおたくの名前は・・・」
流れ藻の中からクマノミが声をかけました。
「エッ!新入りだと・・・」
その声を聞きつけて回りの小魚が集まってきました。小魚といっても花子より大きい魚もいます。花子は魚たちに囲(かこ)まれてしまいました。
「わたし、アカウミガメの花子です」
花子は大きな声を出してみんなに言いました。

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うみがめ花子



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その25