花子はユキの潮吹きで、20m離れたユキのお母さんのマリのところまで飛んでいたのでした。
「大丈夫!とっても気持ちがいいんだから」
花子は楽しそうにこたえました。そこにクマがそーっとやって来て
「おれんとこの潮吹きはもっと飛ぶぜ」
と花子の耳元でささやきました。クマは体を海の中に沈め、花子の下に潜り込み、花子を潮吹き穴に乗せ静かに水面の上に頭を出しました。
「いくぜ!」
「いいよー」
「ブオォー!」
クマの潮吹き穴から勢いよく潮が吹き出しました。花子はまたも宙に舞いました。ユキからしてもらったときよりも高く飛びました。とてもとても気持ちよくて楽しく、時の経つのを忘れてしまいました。
 ユキちゃんとクマと遊んでいるうちにいつしか日が暮れてしまいました。
「ユキにクマ、もうお休みの時間だよ」
母のマリが言いました。
「花子ちゃん一緒に寝よう」
ユキちゃんが誘ってきました。
「そうだよ、一緒に寝よう」
クマも言いました。
 お父さんのヨシ、クマ、花子、ユキ、お母さんのマリと皆で体を寄せ合って休みました。今夜はどんな夢を見ることでしょう・・・。

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うみがめ花子



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その23