花子は生まれてから今までのことを思い出していました。
ピンポン玉のような卵から花子は首だけ出していました。花子の鼻の上はとがっていました。それは卵の殻をつついてやぶる卵角というものです。
まわりには花子の仲間たちも同じように卵から首を出していました。
「こんにちは、わたし花子。あなたたちは…」「わたしのぞみ」「わたしゆきえ」「ぼくあきら」「いちろう」「ゆきこ」「まさのり」「せつこ」「さとる」…と、暗い穴の中のあちこちから声がいっぱいかかってきました。たくさんの仲間がいたのです。
「さぁ!がんばりましょう」花子たちは卵の中からいっせいに出てきました。 花子たちの旅はこれから始まるのです…。
その2