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標識

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ウミガメに装着する標識 ***
当館では、ウミガメの個体識別のために標識装着を行っています。この個体識別により、ウミガメの年間上陸個体数や1個体の産卵回数が把握でき、親ガメが産卵シーズン中に複数回産卵することが分かってきました。しかしながら、親ガメの移動経路や回帰頻度、子ガメの性成熟年齢や生存確率、回遊経路、寿命、母浜回帰の有無(生まれた浜に戻ってくるかどうか)など、依然として未解明な部分が多く残されており、継続した標識調査が求められています。

※回帰とは、1年以上前に上陸したことのある個体が再び産卵のために上陸してくることを指します。

▼ 当館で使用している標識


 標識(タグ)の種類 材質 対象年齢
体内標識 PITタグ(マイクロチップ)
Passive Internal Transponder
 硬質ガラス 親ガメ
一年飼育ウミガメ
子ガメ
体外標識 マルチフレックスP型タグ() プラスチック 親ガメ
インコネルタグ 金属(ニッケル合金) 一年飼育ウミガメ


PITタグ


マルチフレックスP型タグ
(画像をクリックする拡大できます)


インコネルタグ


  画像をクリックすると装着場所の拡大図をご覧いただけます


親ガメの標識装着場所 一年飼育ウミガメ・子ガメのPITタグ装着場所


PITタグ(体内標識)
PITタグは標識番号情報の入ったマイクロチップをガラスコーティングしたもので、シリンジ(注射器)を用いて体内に注入するタイプの標識です。
体外標識と異なり外見上は識別番号の確認ができないため、番号を確認するには専用のハンディ型リーダー(番号読取り機器)が必要となります。
体外標識は脱落するケースが多いため、脱落しない体内標識PITタグを2002年から使用しています。
PITタグは体内に装着されれば特別なことがない限り脱落せず、装着した個体の履歴が途切れることはありませんが、外見上で装着の有無を確認できないため、PITタグと体外標識を併用することでそれぞれの欠点を補っています。

毎年、体外標識の脱落や標識番号の摩耗などにより回帰年が特定できない個体が、PITタグによって履歴のつながることが毎年あり、その個体数は年を追うごとに増加しています。
PITタグ(体内標識:マイクロチップ)拡大図


PITタグ挿入用シリンジ(中央)
ハンディ型リーダー(右)



ハンディ型リーダーに表示された
PITタグ番号


2002年からのPITタグ装着個体数
PITタグ装着年度 親ガメ 一年飼育ウミガメ 子ガメ
2002年 - 17   184
2003年 - 15   285
2004年 - 21   413
2005年  558 16   719
2006年  278 24  1,120
2007年  295 41  1,152
2008年  806 60  1,187
2009年  745 48  1,091
2010年  942 60  1,150
2011年  889 53   840
2012年 1,062 47   928
2013年  966 47   620
2014年  665 53   317
2015年  356 39   305
7,562 541 10,311

PITタグによって履歴のつながった個体の推移


マルチフレックスP型タグ(体外標識)
マルチフレックスP型タグ(以下、P型タグ)は一般的に家畜のブタの耳に装着しているプラスチック製の標識で、専用プライヤーのみで容易に装着できます。当館では金属製の標識(モネル、チタン)や、プラスチック製の標識(ロート、ジャンボ、良質プラ)を使用していましたが、文字が読みにくい、装着に手間がかかるなどの欠点があり、P型タグを2005年に試験的に採用し始め、2006年から本格採用に踏み切りました。ただし、P型タグやインコネルタグといった体外標識は脱落の可能性があり、実際に2〜3年経つと脱落するケースが多いため、脱落しない体内標識として2002年からPITタグを併用しています。

アカウミガメの左後肢に装着したP型タグ

インコネルタグ(体外標識)
インコネルタグは金属製の標識で、専用プライヤーのみで容易に装着できます。一年飼育ウミガメのを左前肢の第二鱗板あたり及び左後肢の内側の鱗板周辺に装着します。
 
インコネルタグを装着した一年飼育ウミガメ

※本活動はウミガメ保護に必要なデータを得るためのものであり、標識がウミガメに悪影響を与えることはありません。


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